東芝と東芝燃料電池システム(TFCP)は、エネファームの製造・販売を7月末までで終了することを発表しました。今回の撤退は、事業の採算の悪化したことが主な理由です。
既に販売済みのエネファームの保守などサービス提供に関しては、引き続きTFCPが行うことになります。エネファーム事業のすべてを廃止するのではなく、新規で製造して販売することをやめるということになりました。
東芝がエネファームの製造から撤退することにより、エネファームのメーカーはパナソニックとアイシン精機の2社のみとなる見込みです。

2009年から販売開始となった東芝のエネファームは、ピーク時の2014年度には売上高210億円を記録し、事業は順調にも思えました。しかし他社の追い上げによりシェアが低下し、開発の遅れによって画期的な新製品が投入できない状態が続いていたため、黒字化するのは困難であると判断したようです。

エネファームが2009年に発売されて以降、東芝機だけが国産の天然ガスに対応していました。しかし今年に入り、他社でも国産天然ガス対応機が開発されていて、日本海ガスや北陸ガスがパナソニック機の発売を開始するなど、シェアの低下は避けられない状況に陥っていました。