東京ガスは、5月29日に経済産業省へガス小売事業の変更登録申請を行いました。この申請により、新たな地域へ都市ガスの小売りを行うことが可能となりました。都市ガスの小売り事業を行うには、このように経済産業省へ登録申請をする必要があり、事業者が勝手に消費者へ供給することはできないようになっています。また登録申請は地域ごとに区分されています。

ターゲットは東彩ガス・東日本ガスのニチガスグループ

東京ガスが今回参入するのは、東彩ガスと東日本ガスが供給している地域です。両社は、LPガス販売最大手のニチガス(日本ガス)のグループ会社で、東彩ガスは埼玉県、東日本ガスは茨城県と千葉県を中心に都市ガスを供給しています。東京ガスが参入することにより、両社のユーザーは東京ガスへ乗り換えることが可能となります。
どのような料金プランを展開するのかは今後発表される予定で、今夏にも供給を開始することになりそうです。

これまでニチガスグループでは、天然ガスを東京ガスから卸供給されていました。それを今年4月に都市ガス自由化されるタイミングで、調達先を東京ガスから東京電力エナジーパートナーに変更しています。つまり東京ガスエリアへ攻勢をかけるために調達先を変更しています。東京ガスとしては大口の卸し先を失っています。

既にニチガスグループは東京ガスや東京ガスが卸供給している都市ガス企業のエリアへ参入を開始しているため、東京ガスからニチガスへ乗り換える顧客が少なからず発生しています。今回東京ガスが参入したことにより、ニチガスグループから東京ガスへ乗り換えることができるようになり、東京ガスが反撃に出たという格好になります。