大阪ガスの本荘武宏社長は、11月1日に開いた記者会見で今後の事業展望を示しました。
従来通り基盤とする近畿地方で、既存ガス顧客の離脱防止と電力の顧客獲得に注力すると同時に、首都圏など他地域への進出が必要である方針を示しました。
また、近年多様化しているLNG需要に合わせて、スポット取引などにも柔軟に対応可能なLNGトレーディングにも前向きに取り組む意向です。
大阪ガスは、既に神奈川県川崎市での都市ガス製造・供給事業への参画を決めています。現在の供給先としては、東京電力が持つ発電所が主となる見込みですが、将来的に首都圏の一般家庭への小売り事業へと参入する可能性を含んでいます。
一部では、中部電力と共同で首都圏の都市ガス小売り事業に参画するという報道もあり、参画が実現することになれば、首都圏の都市ガス利用者は更にガス選択肢が増えることになります。
LNGトレーディングに関しては、2018年に生産開始予定のアメリカフリーポートプロジェクトから、年間220万トンのLNGを引き取る予定です。このLNGに関しては、トレーディングの名の通り、国内へと仕入れるだけではなく、需要が大きいヨーロッパやアジアの市場へと転売する見込みです。
日本国内では、人口減少により市場自体が大きくなる見込みはないため、近年では成長が見込めるアジアを中心とした海外進出に積極的なエネルギー会社が増えている状況です。