東京ガスエンジニアリングソリューションズ(東京ガスES)、カルビー、キャノン、久光製薬は、清原工業団地(栃木県宇都宮市)での「清原スマートエネルギーネットワーク事業」で、さらなる省エネ・省co2を実現する新たな取り組みを始めました。
ガスコージェネレーションシステムからの廃熱由来蒸気の供給可能量が需要量を上回る「蒸気供給余力」を予測する仕組みと、廃熱を活用するための熱交換器新たに追加しました。これらにより、15年比で現状20%の省エネ・省co2を、22%以上に向上させます。
このスマエネ事業は、2019年度から開始されています。東京ガスESが同団地内にガスエンジンコージェネや廃熱回収蒸気ボイラーなどを備えた「清原スマエネセンター」を建設。カルビー、キャノン、久光製薬の3社、計7事業所に電気・熱を供給しています。
3社のエネルギー需要をまとめ、大規模・高効率のコージェネを稼働させて廃熱を最大限有効活用することで、単独事務所では難しい15年比約20%の省エネ・省co2を実現しています。ただコージェネは、電主熱従運転のため、時間・季節・生産状況により、廃熱を活用しきれない時間が生じてしまいます。
今回、スマエネのエネルギー管理システム「SENEMS(セネムス)」に、新開発の「蒸気供給余力予測ロジック」を新たに追加しています。
事業開始から3年間の清原SECの設備稼働データや各事業所のエネルギー負荷データ、気象データを分析することで、1週間先までの蒸気供給余力を予測可能としています。
その上で、清原SECには蒸気供給余力を熱源にして蒸気を製造する熱交換設備「リボイラ」を設置しました。ここでカルビー新宇都宮工場向け食品加工用蒸気を製造します。
この工場には、廃熱由来蒸気を供給していますが、配管腐食防止用の薬剤が使われているため、食品に直接触れる食品加工用の蒸気は別途、薬剤未使用の水を使い、同工場内の都市ガスだき貫流ボイラーで製造していました。薬剤未使用の水を使い、リボイラから蒸気を供給することで、都市ガス使用量を削減します。
さらに来年夏からは、空調などにも蒸気供給余力を活用する予定。
キャノンの光学技術研究所と久光製薬の宇都宮工場には、空調などに利用する冷水製造の熱源として、電気式ターボ冷凍機と、蒸気を使用する吸収式冷凍機が設置されています。通常、ターボ冷凍機を中心に運用していますが、夏場の蒸気供給余力がある時間帯に、ターボ冷凍機から蒸気吸収式冷凍機に運転を切り替え、電力使用量を削減します。
清原工業団地概要
- 総面積:388ヘクタール
- 工場用地:265ヘクタール
- 公園緑地:61ヘクタール
- 道路:50ヘクタール
- その他:12ヘクタール
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