東京ガスの広瀬社長は、今月行われたインタビューのなかで、2018年度にも電力事業で首都圏外へ進出する方針を明らかにしました。
首都圏外、つまり東京ガスが自社で都市ガスを供給していないエリアへ、「電力事業者」として参入することになります。販売手法としては、ガスとのセット売りを推進する方針で、東邦ガスなどと協議を進めています。

具体的な進出エリアに関しては言及していませんが、東邦ガスが都市ガスを供給している中部地方などを対象エリアとして検討していると考えられます。一方で、大阪ガスと関西電力の間で、すでに激しい競争が繰り広げられている近畿地方に関しては、「東京ガスが果たす役割がない」とはっきり言及しており、参入の可能性は低いでしょう。

名古屋市に本拠地を構える東邦ガスは、11月末の時点で6万件以上の電力顧客を獲得する一方、本業の都市ガスではおよそ8万6千件の顧客を中部電力に奪われています。東京ガスが参入することになれば、新エネルギーに関して、やや苦戦する東邦ガスと協力して顧客を獲得する形となります。
東京電力は、すでに電力顧客を100万件獲得しており、「電力小売会社」としても国内有数の規模になりつつあります。電力事業に関しても、今後さらに攻勢をかける姿勢を改めて示すことになりました。