資源開発の大手INPEXは11月15日、製造工程で排出される二酸化炭素を回収・貯蔵することで、「排出を実質ゼロ」とみなすブルー水素・アンモニアの製造から利用までを一貫して行う国内初の実証実験に取り組むと発表しました。
国産天然ガスを用いた製造から、国内の枯渇ガス田でのCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯蔵)の実施、さらに発電などによる利用までを行います。
この実験は、INPEX保有の新潟県の「東柏崎ガス田平井地区」で行われます。
ここに水素製造設備、アンモニア製造設備、水素発電設備などを設置します。年内に着工し、2025年8月から運転開始、同年度末まで実験を行う計画。
南長岡ガス田(長岡市)で生産している天然ガスを、既存パイプラインを使い輸送。天然ガスを改質し、年間700トンの水素を製造します。
このうち600トンを、水素ガスエンジン発電の燃料に使います。残り100トンの水素に窒素を反応させ、年間500トンのアンモニアを製造し、化学製品メーカーなどに販売する予定。
水素を700トン製造する場合、年間約5500トンの二酸化炭素が副次的に発生します。この二酸化炭素は、ガスの生産を終了している東柏崎ガス田平井地区の貯留層に圧入します。これにより、実証で製造される水素は、製造時に二酸化炭素を排出しない「ブルー水素」となり、それを使って製造するアンモニアは「ブルーアンモニア」となります。
実証は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として行われます。
INPEXは、実証の成果を生かし、新潟県で同社が保有するガス田や既存インフラを活用したブルー水素製造プラントを建設し、2030年ごろまでに商業化を目指しています。
海外においても、同様のプロジェクトの検討を進める方針です。
かなり専門的な内容になりますが、これが実現することにより、都市ガスの製造工程で排出される二酸化炭素が実質的に無くなることになります。
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