経済産業省は4月14日、「クリーンエネルギー戦略検討合同会合」を開き、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発したエネルギー危機への対応として「脱ロシア依存」を打ち出し、同戦略の柱として追加する方針を示し了承を得ました。
LNG(液化天然ガス)については、「調達・管理への国の関与強化」「受給状況把握のための体制構築」「事業者間の燃料融通の枠組み」などを検討。
合成ガスやバイオガスなどについては、脱ロシア依存のために必要となるLNG代替燃料として新たな意義があると位置づけられています。
これは、対ロシア協調行動をとるG7の中で日本とEUは自国産のガスに乏しく、ロシア産ガスの代替が難しいということが背景にあります。
一方でG7の中でもアメリカやカナダは、自国産の天然ガスが豊富であることからロシア産ガスに対する依存度が低いという状況。
欧州委員会は3月に脱ロシア依存策として「REPowerEU」(LNG、パイプラインの追加供給、バイオメタンの生産拡大)を提案しており、経産省もこの取り組みを参考にする方針。
ただサハリン2の場合は、日本から購入停止などを行うと、契約不履行で支払いが生じてしまうなど、逆にロシア側を利してしまう可能性があるので移行の対象外としました。
そのため、LNGにおける移行策としては、「アメリカ、オーストラリアなどロシア以外の調達先の獲得」さらに「合成メタンなどLNGの代わりとなる燃料の開発」が中心となる見込み。
元々「クリーンエネルギー戦略検討合同会合」は、その名の通りクリーンなエネルギー、カーボンニュートラルなどの政府目標の具体策として2021年末から始められています。今回のロシア・ウクライナ問題により、クリーンエネルギーを目指すと同時に、電力も含めたエネルギー危機への対応も並行して検討することになっています。