2026年7月28日に発生した熊本地震では、熊本県八代市で都市ガスの供給が停止しました。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
地震で都市ガスが止まったあと、ガス会社はどのように安全を確認し、再びガスを使える状態に戻しているのでしょうか。
この記事では、今回の熊本地震における復旧状況を例に、都市ガスが地震後にどのように供給を再開していくのか、その流れを解説します。
地震が起きると、まずガスは自動的に止まる
都市ガスのメーター(マイコンメーター)には、震度5相当以上の強い揺れを感知すると、自動的にガスの供給を止める安全装置が備わっています。地震の際にガスが止まるのは、多くの場合この仕組みが正常に働いた結果です。
大きな地震では、二次災害を防ぐため、被害の大きい地域ではガス導管網が「ブロック」単位で区切られ、地域単位で供給が止められることもあります。

都市ガスの復旧は、7つのステップで進む
都市ガス事業者の復旧作業は、日本ガス協会によると、一般的に次の7段階で進められます。
- 閉栓 ― お客さま宅のメーターガス栓を止める
- 地域の分割 ― 供給停止地域を細分化した「ブロック」に分割する
- 漏えい検査 ― 道路に埋設されたガス導管を検査する
- ガス導管修繕 ― 破損した導管を交換・補修する
- 供給再開 ― 導管内の安全を確認したうえで、地域へのガス供給を再開する
- 設備点検 ― お客さま宅のガス設備を、お客さま立ち会いのもとで点検する
- 開栓 ― お客さま宅のガスメーターを開け、ガスを使える状態にする
ここでのポイントは、安全確認が「道路側の導管」と「各家庭の宅内設備」の2段階で行われることです。まず導管の漏えい検査・修繕を終え、供給再開ではガバナなどの供給設備を操作してブロックごとにガスの供給を再開します。そのうえで一軒ずつ家庭を訪問し、宅内設備の点検と開栓を行います。ガス会社の担当者が各家庭を回り、ガス漏れがないか、器具が正常に使えるかを確認したうえで、点火作業まで行います。

熊本地震(2026年7月)にみる、実際の復旧の道のり
今回の熊本地震では、熊本県八代市で8,892戸を対象に都市ガスの供給が停止しました。導管内への水の混入が確認されたことなどから、九州ガスは2026年8月1日時点で、全体の復旧までに1〜2週間程度を要する見通しを発表しています。
その後、2026年8月7日時点で3,989戸への供給が再開。8月14日には、家屋倒壊した65戸を除く8,827戸で都市ガスの供給が可能となりました。なお、この「供給開始件数」には、すでに開栓作業を終えたお客さまに加えて、開栓作業の予定を案内済みのお客さまも含まれており、ご不在などの事情で開栓ができていない家庭については、その後も受付・開栓作業が続けられています。

なぜ都市ガスは復旧に時間がかかることがあるのか
都市ガスは、地域全体に張り巡らされた導管でつながって供給されています。そのため、まず道路側のガス導管を確認・修繕し、ブロック単位で供給を再開したうえで、各家庭を一軒ずつ訪問して宅内設備を点検し、開栓するという2段階の安全確認が必要です。
対象戸数が多いほど、この「一軒ずつの訪問」に時間がかかります。これは、利用者の安全を確保するために欠かせないプロセスです。
利用者として知っておきたいこと
- 大規模な供給停止地域では、ガス会社からの案内を確認し、自己判断でメーターを復帰させない
- 契約しているガス会社の連絡先や公式サイト・SNSなど、復旧状況の確認手段を控えておく
- 開栓作業には立会いが必要になるため、訪問の案内が来たら日程の調整に協力する
まとめ
- 震度5相当以上の揺れで、マイコンメーターが自動的にガスを遮断する
- 都市ガスの復旧は「閉栓→地域の分割→漏えい検査→ガス導管修繕→供給再開→設備点検→開栓」の7ステップで進む
- 安全確認は「道路側の導管」と「各家庭の宅内設備」の2段階で行われる
- 熊本地震では、八代市の対象8,892戸のうち、家屋倒壊した65戸を除く8,827戸で2026年8月14日までに供給が可能となった(一部、開栓作業は継続中)
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