日本ガス(ニチガス)系列の東彩ガス・北日本ガス・東日本ガスの3社は、供給する都市ガスの料金メニューに「バリュー料金」を導入することを21日に発表しました。
東彩ガスは埼玉県、東日本ガスは茨城県、北日本ガスは栃木県でそれぞれ都市ガスを供給していますが、今年4月に都市ガスが自由化されたことにより顧客の流出が危ぶまれている状況で、既に東京ガスとサイサンが上記3社の提供エリアでの小売り事業者として登録を済ませています。顧客獲得のターゲットエリアとして狙われている状況であり、今回のバリュー料金導入は、それを阻止するために対抗措置をとったという形になります。
バリュー料金と同時に、ガス器具を購入した顧客に対してガス料金を割り引く「プラス割引」も開始します。

割引率はおよそ7.3~11.2%、従来の料金よりも安くなることになります。
バリュー料金は月平均で一定量以上ガスを使うお宅の場合にメリットがでるプランで、月間で18~20㎥以上使用するお宅は料金が安くなる見込みです。20㎥は一般家庭であれば通常使われるくらいのガス量ですので、対象となる顧客はかなりの数にのぼります。細かい料金に関しては、3社で若干異なりますので、気になった方は契約会社に問い合わせてみましょう。また、このバリュー料金プランは、自動的に適用されるのではなく、申込みが必要になりますのでご注意ください。

一方プラス割引は3社共通の内容で、バリュー料金で契約している顧客が対象となります。給湯器などの機器を購入する度に5000円割り引く「器具購入割引」と、提携する東京電力エナジーパートナーの電気をセットで契約した場合に月々100円割り引く「電気セット割」、年間600㎥以上使用した場合に割り引く「高使用量割引」の3種類あり、多彩な割引を用意することで、顧客をつなぎとめることが目的です。

今回「顧客を奪われる側」となっている3社ですが、一方で親会社のニチガスとともに、既に東京ガスの供給エリアに進出しています。東京ガスエリアでは「顧客を奪う側」であり、今回東京ガスとサイサンが3社のエリアに登録したのは、今までの反撃に出たという構図となります。