ガス販売の大手・サイサンは、都市ガス販売において新しいエリアで小売り販売を開始することを発表しました。
参入する区域は、東彩ガス・北日本ガス・東日本ガスが供給している区域で、3社は共に日本ガス(ニチガス)系列の会社です。
「都市ガスハッピープラン」という名称で7月18日から受付を開始しています。このプランは、各企業の一般料金プランと比べて、5~6%を目安に安くなる見込み。同時に電力とウォーターサーバーのサービスをセットで販売し、同時契約した場合にはそれぞれセット割引した料金が適用されます。
また、7月18日から9月30日までの間はキャンペーン期間として、この期間中に申し込んだ客には一律で1000円を割り引きます。

サイサンが供給するガスは、東京ガスから卸供給されたもので、両社は協力関係にあります。東彩ガスと東日本ガスの供給エリアでは、既に東京ガスが小売り販売をはじめていて、そこにサイサンが新たに参入する形になるので、この地域の都市ガス利用者は3社から選ぶことができるようになります。
一方でニチガスグループの各社は、既に東京ガス供給エリアに参入しています。つまり、東京ガス系列対ニチガス系列という関係で競争が進んでいて、今回は東京ガス系列のサイサンが、ニチガス系列各社のエリアに参入することになりました。

都市ガスの切り替え戸数は、関西と比べて関東では伸びていないため、このように新規参入業者が現れることを期待したいと思います。また、未だに参入業者がゼロという地域もあり、そのような地域では自由化とは名ばかりで、切り替える先の事業者がいないという状況です。事業者としても参入するハードルが高いことから、参入に踏み切ることができないという悪循環が続いている状況です。
都市ガス自由化を全国的に広めていくためには、今後何らかの対策が必要となるでしょう。