2017年3月29日に新たに京葉ガス社長に就任した羽生社長は取材対応の中で、総合エネルギー事業の展開を目指した経営戦略を明らかにしました。
今年4月から自由化された都市ガス事業に関しては、安易な値下げは実施せずに、新しい料金プランの新設やポイントサービスの導入と同時に、電力とのセット割引きの強化など顧客の利便性を向上させ、流出を抑える方針です。
その他の部分でも自社で所有している研修施設を同業他社への貸し出しを行うなど、今までにない他社との協力体制を進め、経費削減や、業務効率化を目指すことを明言しています。
ガス・電力共に料金プランを新設
本業の都市ガス事業では、既に今月から「バリューほっと」という新しい料金プランの受付を開始しています。このプランは年間の目安で月平均が20m3以上の場合、料金が安くなる可能性が高いプランとなっています。20m3なので、一般的にガスを使用する宅であれば対象となる使用量であり、特殊な適用条件もないので、京葉ガスと契約中のお宅は検討されてみると良いかもしれません。
2016年の7月から参入している電力事業では、今年6月に料金プランを新設する予定です。このプランは契約電流が低い世帯に向けたプランを予定しており、電力事業も新たな顧客獲得に向けた動きを見せています。
2017年2月末時点での電力の顧客数は約3000件となっていますが、これを2018年末には14000件まで伸ばすという目標を掲げています。
関東地方でも徐々に競争が表面化へ
昨年の電力に続き、今年4月に都市ガスが自由化されたことで、ガス・電力各社が参入をはじめています。現状では関西地方の市場が活発で、その他の地方では切り替え件数は伸び悩んでいる状態です。ただ、関東地方では各社が徐々に新しいプランを開始するなど、市場活性化に向けた動きがはじまっています。
これまではガス、電力、携帯電話、インターネットなどそれぞれ別の会社のサービスを利用することが一般的でした。しかし、近年では企業が複数のライフラインサービスを展開する動きが広がっています。選択肢が増えることは顧客にとって良い傾向にあると考えられます。ただ、セット割引きやポイントサービスなど、ややわかり辛い部分もありますので、顧客が判断基準を明確に持ち、正しい判断をすることが求められてきていると言えるでしょう。