4月の都市ガス小売り全面自由化から半年が経過しました。資源エネルギー庁が9月1日に発表した申込件数は、全国合計でおよそ37万件。
関東地方以外は、新規参入企業はおおむね電力の大手企業に限られ、「既存の都市ガス会社対電力会社」という構図が浮き彫りとなりました。既存の都市ガス企業(導管事業者)、新規参入事業者は、双方が新たな料金メニューなど、顧客に対してお得感を打ち出すサービスを発表している状況で、自由化されたことによる影響は少なからず発生していると考えられるでしょう。未だ参入事業者は少ないものの、消費者側としては、自身にとって特になる方のサービスを選ぶことができるようになったうえ、切り替えをしなかったお宅でも従来よりも割引率の高いサービスが開始されているので、悪い影響はないと考えられます。

ただ、一方では強引な営業手法が一部で問題視されており、今後への課題も残しています。また、北海道・東北・中国・四国に関しては、未だ参入事業者が現れていない状況です。新規参入への条件緩和などの妥協策が示されれば、今後さらに競争が加速していくと考えられます。
ただし、新規参入事業者がいないエリアに関しても、既存の企業が新メニューを開始する動きが見られることから、業界の活性化という意味で一定の効果は上がっていると考えられるでしょう。

8月25日時点でのスイッチング申し込み件数は、36万7079件となり、全体の1.87%となっています。上述したようにスイッチングをしていなかったとしても一定の効果は上がっていると考えられます。ただ、それを加味したとしても、およそ100世帯につき2件が切り替えているということですので、決して切り替えが盛んだとは言えない状況です。

地域別の内訳は、近畿が20万3937件でトップ、関東が7万1154件、中部・北陸が5万8302件、九州・沖縄が3万3686件、それ以外の地域は0件です。