幕張新都心ガステック4月4日に幕張メッセで開幕した天然ガスに関する世界最大級の国際イベント「ガステック」の動向に注目が集まっています。
天然ガスは液化され、液化天然ガス(LNG)として、日本に輸入され、都市ガスの原料となっています。ガステックでの話し合い如何では、国内の都市ガスサービスに大きな影響を与えますので、消費者の皆さまにも決して無関係なことではありません。

都市ガス普及エリア拡大の発言が中心

このサイトでも何度か記載していますが、近年の天然ガス市場では供給量が需要量を上回る状態となっています。つまり必要としている量よりも、生産されて売りたい量の方が多いという状態です。
原因はシェールガスの登場による、供給量の大幅な増加にあります。
とはいえ、需要が減っているということではなく、日本国内でもそうですが、世界中で天然ガスの需要は増えている傾向にあります。
環境への配慮から、石油への依存が見直されていることと、アジア諸国での都市ガス市場の開拓が進められていることもあり、天然ガスの需要は大きく増えているのですが、それを上回るペースで生産量が増加しています。

売り手側としては、ニーズを増やして天然ガスの価値を高めたいという狙いがありますので、「都市ガスの供給エリアを拡大するべきだ」という発言が相次ぐのは、ある意味当然でしょう。
シェールガスの台頭により、天然ガスの価格は下落していますので、日本国内のエネルギー会社としても、普及エリアを拡大するチャンスではあります。
しかし、都市ガスを顧客に供給するためには、大規模な導管工事が必要となり、そのための費用をねん出する必要があります。
4月1日から都市ガスが自由化され、今後の動向が不透明で、企業としてはどれくらい顧客を獲得できるのか、どれくらい顧客を失うのかが読めない状況です。また、エリアを拡大するとなると、安定した供給先の確保も急務となるため、各社動向を探っているというのが現状でしょう。

シェールガスの登場、都市ガスの自由化、ガステック開催という流れで、今後天然ガス市場がどのように動くのか注目されます。