千葉県北西部で都市ガスを供給している京葉ガスは、新料金プラン「バリューほっと」の提供を開始しました。
このバリューほっとプランは一般料金プランよりも7%ほど料金が安くなるもので、月のガス使用量が17㎥以上の顧客を対象としています。プランの適用にはガス機器の設置などの条件がないため、どの顧客も加入することができます。
参考URL:http://www.keiyogas.co.jp/home/ryoukin/menu/otoku/value.html
同社がこのような割引プランを開始したのには、4月から開始されているガス自由化が背景にあります。今までは1社独占状態だった都市ガスですが、自由化されたことにより顧客が会社を選ぶことができるようになりました。京葉ガスも顧客を奪われるリスクを持ったことになります。
しかし、新規参入業者が販売を開始するのには経済産業省の資源エネルギー庁に登録する必要があり、勝手に販売して良いということではありません。このような許可制になっているのは、契約に際して事業者はガスを供給するだけではなく保安管理などを行う必要があるため、しっかりとした供給体制を築いていない企業を排除するために設けられています。登録状況は公開されていますので、誰でも見ることができます。
ただ、現時点では京葉ガスの管轄エリアに参入している事業者がいないという状況です。つまり自由化されたとはいっても、顧客は京葉ガスから他の会社に切り替えることはできないということになります。実際に参入事業者がいない地域は他にも多くあるのですが、千葉県北西部もそれに該当します。
それでは割引しなくても良いのではないかと思うかもしれませんが、今回の新プランは今後の参入を見越したものとなります。7月から参入を決めている東京電力などが、京葉ガスエリアに進出する可能性を秘めています。
京葉ガスは、東京ガスや東京電力などからガスを仕入れているため両社とは取引のある状態です。従って東京電力が、ガスの卸し売り先である京葉ガスのエリアに進出する、いわば敵対関係になるかどうかは微妙な所です。
しかし、消費者にとってはそのような企業間の事情は関係ありません。
このままでは自由化とは名ばかりで、実際には切り替えができないという状態が続いてしまいかねません。消費者としては、色々な企業から選べるようになり、より良いサービスが提供されることを期待したいところです。